第6回 新しい住宅ローンが続々登場
今回は、人生で最大の借金と言われる住宅ローンについて考えていきたいと思います。
●「借りられる」と「返せる」は別問題
多くの人にとって住宅は人生最大の買い物なので、物件選びには時間をかけますが、住宅ローン選びに時間をかける人は少なく、不動産業者が紹介する銀行の住宅ローンに決める人が多いのが実情です。 販売業者が勧める住宅ローンの条件は「購入を決めてもらう」ために設定されていて、購入者が安心してローンを返済できるかどうかまで考えられていないと言えます。 参考としては、住宅ローン額の目安=年収×退職までの年数×20% を上限の目安としてください
●住宅ローンを選ぶポイント
① できるだけ長期固定金利を選ぶ
② キャンペーン金利は当初期間経過後に注意する
③ 団体信用生命保険料や保証料は金利に含まれているかチェックする
④ 繰上げ返済の手数料をチェックする
●最近の動向
ローンの借り手が重い病気にかかった場合に、返済を免除する「疾病保障付き住宅ローン」や今夏新設予定の「フラット20」など商品も多様化し、取扱いも民間銀行だけでなく、住宅メーカーやノンバンクを設立母体とする住宅ローン専門会社(モーゲージバンク)もシェアを伸ばしてきています。 FPの業界では10年進んでいると言われているアメリカでは既に導入されているモーゲージブローカー制度が今年、日本でもいよいよ導入されました。 普及がすすめば、住宅ローンを借りる時はモーゲージブローカーに相談して、複数ある金融機関からより良いものを選択できるようになります。
全6回で個人のファイナンシャルプランニングについて取り上げてきましたが、少しでも皆様の生活を見直すきっかけとなったでしょうか? 豊かでゆとりのある生活を望むなら、家計管理をベースにした生活設計をたて、周りの環境や家計の変化に合わせて見直すようにしましょう。
*参考文献*
日本経済新聞社 「ライフプランがあなたの資産を殖やす」
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会 「これならわかる生活設計の手引き」
藤川 太 著 「サラリーマンは2度破産する」
第5回 家計のリスクマネジメント(保険)
前回までで、家計の今おかれている現状・将来必要になる金額について把握ができました。
これを元に個別の事項について考えていきたいと思います。 今回は保険・次回は住宅ローンについて考えていきます。
●生命保険は無駄だらけ?
保険の見直しをしている独立系FPの話によると、保険はリスクをカバーするために加入するものであるのに、自分が今現在死んだら家族にどの程度の経済的リスクがあるのか知っている人はほとんどいないそうです。 これは多くの人が「GNP」で加入していることにあるからだと言われています。 この「GNP」とは「義理」「人情」「プレゼント」の頭文字をとったもので、ごく最近まで保険加入をされてきた方は思い当たることがあるのではないでしょうか? ご自身の状況について把握していないので、保険外交員の不安をあおる言葉で加入しなくて良い保険を数多く加入してきたように思います。最近は、来店型店舗で多くの保険商品の中から自分にあったものを選べたり、保険見直しのアドバイスを受けたりできるようになりましたので、従来のような保険外交員が単一の保険会社の商品を売るやり方から徐々に変わりつつあります。 今後はライフプランを作成することによって現状を把握し、ご自身の価値観をしっかり持つようにして無駄な保険加入をしないようにしていきましょう。
●生命保険の見直しのポイント
①保険会社はどこも同じではない→多くの情報を集めて比較検討する
②毎回の保険料だけでなく支払保険料総額も比較する→長生きすると逆転現象が起きる場合も
③リスク区分型保険を活用する→非喫煙有料体型等
④逓減タイプの定期保険を活用する→通常、必要補償額は末子が産まれた時がピーク
⑤終身医療保険を活用する→できるだけ若いうちに加入、公的医療保険でもかなりの金額をカバー可
⑥いい保険はできる限り残す→終身保険は1996月4月1日以前・養老保険と年金保険は1999年4月1日以前の契約日のもの
一番大事なのは、将来の予測できない心配をするより、健康に留意して保険を使わなくても良い生活をおくることです。
*参考文献*
日本経済新聞社 「ライフプランがあなたの資産を殖やす」
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会 「これならわかる生活設計の手引き」
藤川 太 著 「サラリーマンは2度破産する」
第4回 家計の計数管理をしてみよう!②
今回は、家計フローについて分析してみましょう。家計フローについては単年度収支表を作成します。単年度収支表は1月から12月までの合計収入・支出を出し、その差額を計算します。家計簿等を記帳している場合は、その年間合計でも良いと思います。
●「単年度収支表」 (単位:万円/%)
項 目 金 額 比 率
収 入 給料(夫) 800 90.0
給料(妻) 90 10.0
その他
計 A 890 100.0
支 出 基本生活費 450 50.5
住居費 216 24.2
教育費 36 4.0
保険料 72 8.0
一時支出
その他 6 0.6
計 B 780 87.6
収支差額 C=A-B 110
前年金融資産残高 D 1000
当年金融資産残高 C+D 1110
●作成のポイント
A明細項目は細かくしすぎないようにする
基本生活費→食費や公共料金、小遣いなど、最低限の生活費
住居費→家賃や住宅ローンの返済額、固定資産税など住宅にかかるお金
教育費→学校教育費、塾、家庭教師、お稽古事など子供に対してかかっているお金
保険料→生命保険料、損害保険料、共済掛金等
一時的な支出→マイカーやマイホームの頭金、旅行の費用等、その年だけの特別なお金
その他→交際費、レジャー関係費用、耐久消費財の購入費、使途不明金
B 収入(手取額)=①年収-(②所得税+③社会保険料+④住民税)で計上する
①②③は源泉徴収票 ④は市民税・県民税特別徴収税額の通知書より
①年収→支払総額 ②所得税→源泉徴収税額 ③社会保険料→社会保険料等の金額
④住民税→年税額(特別徴収税額)
*参考文献*
日本経済新聞社 「ライフプランがあなたの資産を殖やす」
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会 「これならわかる生活設計の手引き」
藤川 太 著 「サラリーマンは2度破産する」
第3回 家計の計数管理をしてみよう!①
前回、将来の夢であり目標であるライフイベント表を作成しました。将来、何年後にいくら必要なのか具体的な数値で確認することができたと思います。 次に、今現在自分が置かれている現状を把握することが大切です。 そのために家計の現状がどうなっているかを確認します。 家計はストックとフローの両面から把握します。 家計ストックについては家計貸借対照表を家計フローについては単年度収支表をそれぞれ作成します。 今回は家計貸借対照表を作成して分析してみましょう。
資産としては、現金・預貯金・土地・建物・マンション・有価証券・保険積立金・車両・売却可能の高額品(金・書画骨董・宝飾品他)・その他資産(敷金・保証金・借地権・他人に対する貸付金・立替金等) 負債としては、住宅ローン・その他借入金(金融機関・友人)・カード未払金(クレジットカード購入代金)・未払金などがあります。
●「家計貸借対照表」 (単位:万円)
資 産 負 債
金融資産 銀行預金 500 10.0 負債 住宅ローン 2,800 56.0
公社債投信 300 6.0 ードローン 200 4.0
株式 600 12.0 計 3,000 60.0
計 1,400 28.0 正味財産
実物資産 自宅 土地 2,000 40.0 正味財産 2,000 40.0
建物 1,600 32.0
計 3,600 72.0
資産合計 5,000 100.0 負債・正味財産合計 5,000 100.0
●作成のポイント→計上する金額は時価で評価すること。
土地・建物等→路線価は時価の約8割・固定資産税評価額は時価の約7割の評価である。
有価証券→株式は新聞・投資信託は証券会社から送られてくる年次報告書で確認する。
保険積立金→保険会社に解約返戻金を問い合わせる。(掛金の累計や受取保険金ではない)
自動車→中古車買取業者のインターネットサイトを利用する。
●分析のポイント→財産率(%)=正味財産÷資産×100
50%以上→安全 0~50%→不安定 0%以下(債務超過)→危険
*参考文献*
日本経済新聞社 「ライフプランがあなたの資産を殖やす」
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会 「これならわかる生活設計の手引き」
藤川 太 著 「サラリーマンは2度破産する」
第2回 将来の夢計画「ライフイベント表」を作ってみよう!
ファイナンシャル・プランニングの目的は、将来の家族の夢計画をかなえることにあります。夢を実現するためにライフプラン表を作成しますが、その第1歩として、将来必要になると思われる資金を家族の年齢ごとに一覧表にした「ライフイベント表」を作成します。 結婚・出産・教育・住宅・老後と人生の様々なステージの中で、実にたくさんのお金がかかります。 人生設計を長期でたてることは 未知数が多くて大変なことですが、それぞれの場面で、どれほどの費用が必要で、どのように準備していくかを長い目で考えていくことが、この時代を生き抜いていく知恵だといえるでしょう。
●自分がどう生きたいのかを考える
ライフプランを考える際には、年齢や職業による常識=既成概念にとらわれる必要はありません。 家族構成・就業形態・住居の態様などに応じて、自分の置かれている状況を冷静に分析し、自分の選択した人生を歩み、ゴールに正しく向かっているかを確認するためにライフプラン表を活用してください。
*参考文献*
日本経済新聞社 「ライフプランがあなたの資産を殖やす」
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会 「これならわかる生活設計の手引き」
藤川 太 著 「サラリーマンは2度破産する」
第1回 なぜファイナンシャルプランニングが必要か?
「収入が十分あるのに貯蓄が増えない」
「万一の保障は必要だと思うが、保険料の負担が重たくなってきた」
「住宅ローン返済額を軽減したい」
「年金がいくらもらえるかわからないので老後の生活が心配だ」
・・・・こんな悩みをかかえる生活者の相談が増えているそうです。
●なんとかやっていける時代は終わった
「サラリーマンは2度破産する」の著者 藤川太氏によると、一見すると普通の家計なのに詳細を分析すると、破産の危機が予測される家計はなんと5割を超えるそうです。 中流バンドの家計は、バブル崩壊前までの時代であれば、お金に苦労せず幸せに暮らせました。 少々の失敗も、右肩あがりの給料がカバーしてくれました。
しかし現在は、年金制度の行き詰まり、医療費の負担増、消費税アップをはじめとした増税、終身雇用制の崩壊、ワーキングプアの拡大等、社会がどんどん変化していくなかで、今まで以上に厳しい時代がやってくると思われます。
●自分の人生は自分でつくる
これからの時代を生き抜くために頼りになるのは、国や会社ではなくて自分自身の力が必要になってきます。何か起きる前に不安になったり、実際に起きたときに慌てることのないよう、事前にリスクを想定して対策をたてれば家計の体力を高めることができます。 また、選択肢が増えたため、自分の価値基準をはっきりさせておかないと、変化にふりまわされる可能性があります。例えば、年収2,000万円を稼いでいても、四六時中会社に拘束されて、家族とゆっくり過ごす時間がないという人がいます。逆に、収入はぎりぎり生活できる程度でも、好きな仕事を適量こなし、自分の時間をきちんと持って楽しく暮らしている人もいます。 どちらの暮らしが幸せかという明快な答えはありません。幸せの基準は一人ひとり違っていて当たり前なので、まずは周囲に流されないために、自分の生き方の基準をしっかり持つようにしましょう。
今回より全6回で個人のファイナンシャルプランニングに必要な項目を一つずつ取り上げていきます。
皆様の家計を見直す一つのきっかけになればと思っておりますので宜しくお願いいたします。
*参考文献*
日本経済新聞社 「ライフプランがあなたの資産を殖やす」
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会 「これならわかる生活設計の手引き」
藤川 太 著 「サラリーマンは2度破産する」