事業承継の失敗事例集 『敗軍の将、兵を語る』9

 今回は、自社株を後継者に集中して相続させなかったために失敗した、ある経営者の"兵"です。

【敗軍の将、兵を語る】

・子供にはある程度、平等に相続させたかったので、後継者になる息子に特に自社株を集中して相続させなかった。
・会社に関係のない子供が、配当金を払えと言い出した(配当金は経費に落ちないので、資金負担が大きい)。
・会社に関係のない子供が、相続した会社の株式をお金に換えろと言いだした。
・後継者である息子が、引き継いだ会社を思うように運営できなかった(株主の同意がないとできないことがあります)。

【敗軍の将からの教訓】

・自社株は経営権そのものです。できるだけ後継者に集中して相続させましょう。
・一子相伝。後継者に全株を相続させるぐらいでも!?
・平成21年度税制改正にて"相続税の納税猶予の特例"が創設されました。一定の場合には、自社株に課税される相続税が80%繰延べられますので、このような制度の活用もご検討されることをお勧めいたします。
                                                                                   事業承継研究家

事業承継の失敗事例集 『敗軍の将、兵を語る』7

  
今回は、相続税が課されないと勘違いしたために失敗した、ある経営者の"兵"です。
 
【敗軍の将、兵を語る】

ワシが死んだとしても、大した財産もないから相続税なんて課税されないだろうと思っていたのに...

・意外なものに相続税が課税され、納税に困った(地主さんから借りていた土地、会社に対して運転資金として入れていたお金、自宅の庭など)。
・妻に相続する分は、法定相続分(全体の1/2)までは非課税と聞いていたが、相続税の申告が必要だと知らなかった(申告しなかったから課税された)。
・自宅の敷地は70坪ぐらいまでなら20%評価だと聞いていたが、相続税の申告が必要だと知らなかった(申告しなかったから課税された)。

 
【敗軍の将からの教訓】

・生前に、キチンと相続税の試算をしておきましょう。
・生前に、キチンと相続税の特例の要件(申告の要否など)を確認しておきましょう。
・相続があった場合には、とりあえず顧問税理士に相談しましょう。

                                      事業承継研究家

事業承継の失敗事例集 『敗軍の将、兵を語る』8

  今回は、相続税が多額に課税されたために失敗した、ある経営者の"兵"です。

 【敗軍の将、兵を語る】

・ワシが死んだ後のことは知らん!(相続対策をしなかった)
・ある程度の財産を残してやるんだから、あとは自分たちで何とかしろ!
・結果として...息子が会社のお金を相続税の納税に使ったので、会社の資金繰りが悪化した。
・結果として...息子は会社経営を引き継ぐだけでも大変なのに、相続税を払うための無用な借金を背負い込んで更に追い詰められてしまった。

 【敗軍の将からの教訓】

・生前に、キチンと相続税対策(税金を少なくする対策)をしましょう。
・生前に、キチンと納税資金対策(税金をどうやって払うかの対策)をしましょう。
・残された遺族の方は非常に大変な思いをされます。また、ご苦労されて築かれた財産が相続税という形で国に没収(!?)されてしまいます。"自分の死んだ後"のことを考えるのは気分の良いものではありませんが、キチンと向き合って考えていく必要があると考えます。

                                             事業承継研究家

事業承継の失敗事例集 『敗軍の将、兵を語る』5
  
今回は、『うちは規模が小さいから...』といって油断した、ある経営者の"兵"です。
 
【敗軍の将、兵を語る】

ワシが死んでも、うちぐらいの規模なら何とでもなるだろうと思っていたのに...
・相続の後で、急に経営を任されることになった息子達は、とても会社経営をやり切れず、会社の業績も悪化。会社が傾いてしまった。
・経営方針や後継の座を巡り、長男と次男の内紛も起きた。
・株式の承継(誰が何株引き継ぐか)についても、長男と次男の内紛が起きた。

【敗軍の将からの教訓】

・事業承継に会社の規模は関係ありません。全ての会社、経営者の問題です。
・誰が後継者なのかを、キチンと決めておきましょう。
・後継者となる息子には、生前に"経営の予行練習"をさせておきましょう。
・自社株は"会社の支配権"です。後継者に多くが渡るように手立て(生前贈与や遺言書の作成)を講じておきましょう。
・事業承継は"相続税の節税対策"と違います。相続税が課税されないから、何もしなくて良い訳ではありません。

                                     事業承継研究家


 

事業承継の失敗事例集 『敗軍の将、兵を語る』4
  
今回は、古参社員(幹部)が抵抗勢力となって失敗した、ある経営者の"兵"です。
 
【敗軍の将、兵を語る】

ワシの死んだ後...

・年下の社長(後継者)の言うことを、古参社員があまり聞かなかった。
・年下の社長(後継者)との"あつれき"からの保身なのか、古参社員が若手社員に指導をしなくなった。
・古参社員が時代の変化についていけず、昔の精神論を主張するばかりだった。
・変化を嫌う古参社員がシステムの入れ替えに反発し、業務改善もままならなかった。
・変化を嫌う古参社員が業務効率化や節税対策のための会社分割に反対し、カイゼンが進まなかった。

【敗軍の将からの教訓】

・経営者だけでなく、幹部・従業員の事業承継(世代交代)も必要です。自分自身の世代交代のことだけでなく、社内全般の世代交代も考えましょう。
・後継者が、言うことを聞く社員(子分!?)をつくれる環境を、早めに提供しておきましょう。
・後継者は古参社員に敬意を払い、謙虚な姿勢で接しましょう。

                                            事業承継研究家

 

事業承継の失敗事例集 『敗軍の将、兵を語る』 3

今回は、後継者を決めなかったために失敗した、ある経営者の"兵"です。
 

【敗軍の将、兵を語る】

ワシの死んだ後...

・後継の座を巡り、長男と次男の内紛が起きた。

・経営方針の違いから、長男と次男の対立が起きた。

・従業員も長男派と次男派に別れ、会社は分裂状態。業績悪化、会社の信用も落ちた。

・妻でも、長男と次男の争いを止めることが出来なかった。



【敗軍の将からの教訓】

・会社規模の大小に関係なく、後継者はハッキリと決めておきましょう。

・従業員・取引先などの事業関係者にも、誰が後継者なのか周知しておきましょう。

・子供を何人も会社に入れないようにしましょう。

・子供を何人も会社に入れるのであれば、上下関係をハッキリとさせておきましょう。


                                         事業承継研究家

事業承継の失敗事例集 『敗軍の将、兵を語る』 2

 

今回は、後継者の育成に失敗した、ある経営者の"兵"です。
 

【敗軍の将、兵を語る】

・"専務取締役"などの肩書きをつけて、権限を徐々に移行する予定であったが、とうとう息子には任せられなかった。
・息子がやると危なっかしくて見てられず、ついつい自分がやってしまった。
・息子はどうやら"どうせまた親父が決めるのだろ"と思っていたらしい。
・結果として、息子はただでさえできない経営判断を余計にしなくなった。
・そのうち、社員も息子を経営者と思わなくなり、息子は社内で居場所がなくなった。
・息子にはある程度の役員報酬を渡していたため、ハングリー精神にも欠けた。
 

【敗軍の将からの教訓】

・中途半端では意味がありません。任せるのであれば、まずはやらせてみましょう。
・自分の目の黒いうち(失敗しても挽回がきくうち)に、経営の練習をさせましょう。
・必要以上にお金を渡して甘やかさないようにしましょう。
・子供に継がせるのであれば、その適性に合わせた会社規模を考えましょう。
・子供に適性がなければ、無理に継がせなくても良いのでは...!?
・後継者に苦労・経験をさせましょう(新規事業を立ち上げさせる等)。

                                             事業承継研究家

事業承継の失敗事例集 『敗軍の将、兵を語る』


 今回からは、事業承継の失敗事例集を連載で掲載いたします。


 事業承継をサポートさせて頂く立場から実際に見た実例を、いくつかのパターンに集約してお届けいたします。

 まず初回は、生涯現役を貫かれて他界した、あるカリスマ経営者の"兵"です。

 
【敗軍の将、兵を語る】

・ワシは生涯現役! 最後まで会社の実権を譲らなかったぞ!
・オレ流(カリスマ&ワンマン経営)を貫いたぞ!
・得意先とのパイプ役も、下請先を束ねることもワシがやって、皆をまとめてきたぞ!
・銀行との折衝も、重要な財務戦略や資金繰りも、すべてワシがやったぞ!

【敗軍の将からの教訓】

・人は永遠には生きられません(当たり前ですが)。早く後継者を決めて、将来、社長になった場合の     予行練習をさせるなど、事業承継の準備を進めましょう。
・相続の後で、急に会社の舵取りを行わなければならなくなるご子息様(後継者)。  ただでさえ難しい時代なのに、とても経営をやり切れません...。
・"継がせる側の決断"が必要です(思い切ってバトンタッチしましょう)。
・"継ぐ側の覚悟"も必要です(中途半端な気持ちではいけません)。
・ お眼鏡にかなう後継者がいないのなら、身内以外から招聘する、いっそのことM&Aで会社を売却するなどの方法も!?             
                                                 事業承継研究家